S-M社会生活能力検査 第3版 ≪新刊≫
Social Maturity Scale Third Edition
略称 S-M(エス・エム)


概要・価格

新版S-M社会生活能力検査第3版
編者 上野一彦、名越斉子、旭出学園教育研究所
適用範囲 乳幼児 〜 中学生
実施時間 20分
使用者レベル B
2016年4月発行  
価格
基本商品 手引 5,400円

(5,000円+税)

検査用紙(20名分) 10,800円

(10,000円+税)

関連書籍 S-M社会生活能力検査の活用と事例
-社会適応性の支援に活かすアセスメント -
2,700円

(2,500円+税)

特徴

子どもの日頃の様子から社会生活能力の発達を捉える検査です。
  • 第3版への改訂について
    ・現代の子どもを対象とした調査に基づいて、新たに換算表を作成しました。
    ・適用年齢や検査方法は以前の版と変更ありません。
    ・質問項目は内容が時代に合っているか、回答に性差がないか等を考慮し変更されました。
    ・質問項目の一部文言は現代の言葉遣いに合うように見直されました。
    ・検査用紙がA4サイズになり、より見やすく回答しやすくなりました。
    ・第3版の検査用紙で検査結果を換算・算出するには、第3版の手引が必要になります。

  • 子どもの日常場面での行動が検査の対象です。
  • 検査者が子どもを直接検査するのではなく、子どもの日常生活をよく知っている保護者や担任教師が回答します。
  • 質問項目は発達年齢段階ごとに分かれていて、合計129の項目で構成されています。
  • 回答結果をもとに社会生活年齢(SA)と社会生活指数(SQ)が算出できます。
  • SAはそれぞれの領域別に求めることができます(求められる領域は下記「社会生活能力の測定領域」を参照)。
  • プロフィール欄へ領域別SAを描くことで子どもの社会生活能力の特徴を視覚的に捉えることができます。


 社会生活能力の測定領域
1.身辺自立 :SH(Self-Help) 衣服の着脱、食事、排せつなどの身辺自立に関する能力。
2.移動 :L(Locomotion) 自分の行きたい所へ移動するための能力。
3.作業 :O(Occupation) 道具の扱いなどの作業遂行に関する能力。
4.コミュニケーション* :C(Communication) 言葉や文字などによるコミュニケーション能力。
5.集団参加 :S(Socialization) 社会生活への参加の具合を示す能力。
6.自己統制 :SD(Self-Direction) 図形や数量の理解・処理といった数学的思考を含んだ、問題解決に向かって思考する力。
*第3版では、従来の「意志交換」を、より一般的で理解しやすい「コミュニケーション」に名称変更しました。

手引序文

はじめに

 今日、障害のある子どもを取り巻く社会環境は大きく変化してきている。たとえば、知的な発達に遅れのある子どもの場合、知能検査などによる数値だけでその判断や程度を云々することはすでに時代遅れとなっている。少なくとも、知的な発達面の遅れだけではなく、社会生活面、つまりは適応面での遅れの両面から、その実態を把握することの重要性が問われて久しい。言葉を替えると、個人的な能力・適性と取り巻く生活環境における相互作用のなかで障害の程度は変化すると考える。よりよい環境調整のなかで障害の重さ自体が変わる。
 しかし障害という言葉はある種のスティグマを連想させる。障害の有無といった2種類の人間が存在するかのような誤解を与える。障害を理解と支援を必要とする個性と捉えるべきなのかもしれない。障害の有無といった二分する考え方から、個性として連続した捉え方のなかで、理解と支援をすすめていくことがインクルーシブな考え方であり、その人にとって必要な合理的な配慮を提供する際にも不可欠である。
 S-MとはSocial-Maturityの略語であるが、社会成熟度と訳される。生きていくための適応力ともいえる。どのような人も、発達のなかで自立と社会参加の準備をしなければならない。それはすべての発達段階での課題として構造化される。知的な発達に遅れのある子どもたちや発達障害などの特徴をもつ子どもたちは、この尺度で測られるような、環境のなかでどのように生活適応力を発達させているのかを客観的に捉えることは指導にあたっても大きな手掛かりを与える。
 こうした考え方に立つとき、その個人の能力や状態をダイナミックにアセスメントすることが一層、必要視、重要視される。私たちはこうした視点のもとに、社会成熟度という観点からの尺度(S-M尺度)を開発してきたが、今日の生活環境に合わせ、新たな修正を加え、皆さんに提供する。さまざまな課題をもつ子どもたちへのより深い理解、より効果的な指導の前提となるこの尺度を皆さんとともに育てていくことこそを心から期待するものである。

上野一彦