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エッセンシャルズ 新しいLDの判断

エッセンシャルズ 新しいLDの判断
著者名 D. P. フラナガン、V. C. アルフォンソ 編/上野一彦、名越斉子 監訳
発行年月日 2013年10月10日
判・頁数 A5 446頁 
ISBN 978-4-8210-6367-3
価格 3,888円(本体 3,600円)
在庫 在庫あり 
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書籍概要
最新研究に基づいたLD判断の新しいモデル! エッセンシャルズシリーズの三巻目。

読み、書き、算数、口頭表現、リスニングといった学力に関する領域での特異的LD(学習障害)について、発達や原因についての諸理論、様々な援助介入の解説とともに、米国の最新研究に基づいて、特異的LDを判断する有力なモデルを多数紹介している。
(原著名:Essentials of Specific Learning Disability Identification)
著者・編者等紹介
【編者紹介】(所属・肩書きは第1刷発行時)
Dawn P. Flanagan, Ph.D.
ニューヨークのセント・ジョーンズ大学の心理学教授、学校心理学養成プログラムの主任、およびイェール大学医学部イェール児童研究センター臨床准教授。
彼女は認知アセスメント、心理教育評価、特異的LD、学校心理学における専門的課題について教えるとともに、全国的・国際的に、様々な組織で、専門的な参考人、LD コンサルタント、心理教育検査・評価のコンサルタント・指導者の役割を果たしている。著書、分担執筆、論文等も多く執筆している。彼女はアメリカ心理学会(第16 部会)の上級会員(フェロー)であり、アメリカ心理学専門委員会のメンバーでもある。Flanagan博士の最近の著作には、エッセンシャルズシリーズのEssentials of Cross-Battery Assessment, 2nd edition とEssentials of WISC-IV Assessment, 2nd edition がある。

Vincent C. Alfonso, Ph.D.
フォーダム大学の教育大学院の教授で教務担当の副主任である。フォーダムでは、専門家向け、博士課程向けの学校心理学プログラムの前コーディネーターであり、Rosa A. Hagin 学校相談センターと幼児センターの前事務局長である。
彼の研究の関心は、心理教育的アセスメント、幼児アセスメント、人材養成問題、心理測定学である。2003 年11 月、Alfonso 博士は、ニューヨーク学校心理士協会から「学校心理学指導者賞」を授与された。またごく最近、APA の第16 部会の上級会員に推挙された。彼は、公認の学校心理士、そしてニューヨーク州の公認心理士であり、20 年以上もの間、生涯発達という観点から心理教育サービスに従事してきた。

【翻訳者】(所属・肩書きは第1刷発行時)
上野一彦:東京学芸大学名誉教授
名越斉子:埼玉大学教育学部准教授
木下智子:渋谷区教育委員会事務局学務課特別支援教育係  特別支援教育相談員(臨床心理)
海津亜希子:国立特別支援教育総合研究所主任研究員
岡崎慎治:筑波大学人間系准教授
岡田智:北海道大学教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター准教授
バーンズ亀山静子:ニューヨーク州認定スクールサイコロジスト
小貫悟:明星大学人文学部准教授
立脇洋介:大学入試センター助教
書籍目次
 第1章 特異的LDについて
 第2章 読みの特異的LD
 第3章 算数の特異的LD
 第4章 書きの特異的LD
 第5章 口頭言語の特異的LD
 第6章 RTIによる特異的LD判断へのアプローチ
 第7章 知能のPASS理論を用いた特異的LD判断のための
 第8章 特異的LDの判断と援助介入のためのRTIと認知仮説検証アプローチ
 第9章 読み障害と口頭言語・書き・算数障害の重複の有無に関するエビデンスに基づく判別診断と指導
 第10章 CHCに基づいた特異的LDの操作的定義
 第11章 多様な子どもを評価する際の文化や言語による困難と特異的LDの識別
書籍目次詳細
 まえがき
 シリーズ序
 謝辞
 日本語版へ寄せて

 第1章 特異的LDについて
  LD定義の簡単な歴史
  LD分類システム
  特異的LD判断法と2006年連邦規則
  まとめ
  参考となる情報リスト
 第2章 読みの特異的LD
  読み障害の定義
  読み障害の判断における神経心理学の役割
  読み障害のサブタイプ
  読み障害の改善方略
  今後の援助介入
 第3章 算数の特異的LD
  算数のLDおよび算数低学力の定義、原因、出現率
  MLDのサブタイプと症状の変遷
  ナンバーセンス
  数を数えること(計数)の知識
  計算
  多面的診断アプローチの要素
  まとめ
  参考となる情報リスト
 第4章 書きの特異的LD
  書き障害の定義、原因、出現率
  書き障害のサブタイプ
  書きの困難の発達での現れ
  書きの特異的LDの認知的要因と診断指標
  書きの特異的LDの判断における診断法の構成要素
  指導手順例
  まとめ
  参考となる情報リスト
 第5章 口頭言語の特異的LD
  はじめに
  言語障害の定義、病因、出現率
  言語障害のサブタイプ
  発達での現れ
  認知的要因と診断指標
  多角的診断アプローチの要素
  指導手順
  参考となる情報リスト
 第6章 RTIによる特異的LD判断へのアプローチ
  分類と判断
  特異的LDとは何か
  RTIと特異的LD判断
  まとめ
 第7章 知能のPASS理論を用いた特異的LD判断のためのディスクレパンシー・一貫性アプローチ
  基本的心理学的過程
  特異的LD判断のために認知処理をどのように用いるか
  ディスクレパンシー・一貫性モデル
  IDEAとディスクレパンシー・一貫性モデルとの関連
  まとめ
 第8章 特異的LDの判断と援助介入のためのRTIと認知仮説検証アプローチ
  特異的LDの謎:はじめに
  特異的LDの定義と決定の最初の試み
  特異的LDの子どもの支援のためのRTI:万能薬か、予防薬か?
  IDEAにおける特異的LDおよび第3のアプローチ
  診断的妥当性、生態学的妥当性、指導的妥当性の保証:認知仮説検証アプローチ
  アセスメントと援助介入を関連づける:CHTにおけるアセスメントと援助介入
  まとめ
 第9章 読み障害と口頭言語・書き・算数障害の重複の有無に関するエビデンスに基づく判別診断と指導
  特異的読み障害を定義するときの問題
  ホールマーク表現型
  エビデンスに基づき、理論に則った、特異的LDの判別診断
  判別診断の予防的応用
  判別診断の問題解決コンサルテーションへの応用
  判別診断の特別指導への応用:実践的なリソース
 第10章 CHCに基づいた特異的LDの操作的定義
  特異的LDの操作的定義の必要性
  CHCに基づく特異的LDの操作的定義
  特異的LD判断を越えて:CHCのアセスメントデータを指導と援助介入へつなぐ
  まとめ
 第11章 多様な子どもを評価する際の文化や言語による困難と特異的LDの識別
  文化や言語が多様な人の特異的LDの評価
  文化や言語が多様な人への検査の妥当性の向上
  差異対障害
  まとめ
  
  文献
  文献解説
  編者紹介
  分担執筆者(分担訳者)
  監訳者あとがき
  著者索引
  索引

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序文・はじめに・あとがき 等
【監訳者あとがき】
 米国のLD(Learning Disabilities)の歴史は1963年のSamuel Kirkのシカゴでの講演が大きなきっかけであるとされる。それから半世紀、LDはその判定(わが国では判断)を巡って、また用語としても大きな曲がり角、というより再考が求められている。
 本書を初めて手に取ったとき、そうした息吹を強く感じた。タイトルの「Specific Learning Disability」に敏感に反応する人は、LDの用語の変遷に精通した人である。米国では、この「specific」を当初は一般の学習遅滞や困難と混同させないという意味で付けたこともあったが、LDが教育用語として普及するにつれ、あえて付けない風潮が一般的となった。むしろ、この用語を冠する英国での「specific learning difficulties」が米国のLDと同義であると整理されることもあった。また、医学(DSM)でよく使用されるDisorderとDisorders は症と症群と訳し分けられるが、disabilityもほぼ同義に扱われてきた。本書は、このDSMの流れを強く汲んでおり、21世紀以降のNCLB(落ちこぼれ防止)法(2002 年)やIDEA改訂法(2004年)の影響を強く受けた、心理アセスメントを重視する側からのRTI(子どもの指導に対する反応を重視する評価方法)への新しい応答の書でもある。
 本書はKaufman夫妻編集のEssentials of Psychological Assessmentシリーズの一冊でありDawn FlanaganとVincent Alfonsoによるものである。特にFlanaganはKaufmanの信望厚い後継者ともみなされる人物であり、米国における新しい心理アセスメントの旗手の一人でもある。ある日、小貫悟さんから、自分の敬愛するFlanagan先生のこの本が面白そうなのですが、と紹介があった。私もこのエッセンシャルズ・シリーズを何冊か手がけ、本書もぜひ日本で紹介したいと思い、出版社とすでに相談に入っているところだったので、このタイミングの良さに二人で驚いた記憶がある。
 翻訳に関しては、私の長年のLD研究を共に支えてきてくれた人々にも、ぜひこの進展の息吹を共有したく、名越斉子、小貫悟、海津亜希子、岡田智、木下智子さんらと米国における長年の友人であるバーンズ亀山静子さんに分担(奥付参照)をお願いし、最終的に名越さんと私によって監訳作業を行った。名越さんの誠実で精密な作業はどれほど私を勇気づけてくれたことか。翻訳書のタイトルを「特異的LDの判断」とせず、「新しいLDの判断」としたのは、現在、DSM-IVからDSM-5への移行期であり、あたらしいLearning Disabilityの訳もまだ確定してはいないのが理由である。日本版DSM-5では障害という呼称はなくなると伝え聞く。少なくとも21世紀に入ってのLD判断の米国における変化は、やがてわが国でもさまざまな形で影響を及ぼすと思われる。

監訳者代表 上野一彦

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